JR鎌倉駅の東口から徒歩8分ほど。うっそうとした杉林に覆われた広大な妙本寺([所在地]鎌倉市大町1-15-1)は、鎌倉駅周辺の喧騒がうそのような静寂のなか。比企谷(ひきがやつ)と呼ばれる谷戸に位置している。
日蓮宗の本山で、かつては比企一族の邸宅跡。源頼朝を支えた有力御家人の比企能員が、鎌倉幕府2代将軍・源頼家の乳母父となったことから権勢を誇ったが、頼家の母の実家の北条氏と対立、「比企の乱」(1203年)で比企一族は謀殺された。妙本寺の開基は能員の末子で、唯一難を逃れた能本(よしもと)とされる。以来、比企一族の菩提寺でもある。